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孤軍奮闘するあなたへ ーひとり職場の言語聴覚士ー

2025/03/4

こんにちは、plus-STの渡邉です。 

私はこれまで、転職と異動により3つの職場を経験していますが、うち2ヶ所はひとり職場=言語聴覚士は私だけでした。 

ひとり職場で心細い理由は、相談相手がいないことではないでしょうか? 

そこで、ひとり職場歴長めの私がどうやってその心細さを乗り越えてきたのかシェアします。 

孤軍奮闘するどこかの言語聴覚士さんに届きますように。 

職場外の先輩を追いかけた新人時代 

新卒で入職した病院には、パートの先輩言語聴覚士がいました。 

この方が常勤からパートになったので、常勤の言語聴覚士として私が採用されたわけです。 

先輩がいるとはいえ、先輩の勤務時間は9時から16時、私は8時30分から17時30分だったので、勤務の前後にアドバイスを求めることはできません。 

また、お昼はそれぞれに担当の患者さまの昼食に付き添うことが多く、休憩時間もバラバラ。 

正直、業務時間内に指導してもらえる時間は確保できず、まともに会話する時間すらとれませんでした。 

そこで私は、職場の外に救いの手を求めました。 

所属する県士会の部会には毎回出席し、地域の勉強会にも必ず顔を出すようにしたのです。 

それがきっかけで、学生時代の同期が勤務する病院の先輩言語聴覚士に顔と名前を覚えてもらい、臨床で感じた疑問や不安なことなどを相談していました。 

発表スライドの添削をお願いしたこともあります。 

なんの恥じらいもなく質問できるのは新人のうちだけ!と恩師から口酸っぱく言われていたこともあり、お会いする度に質問攻めにしていました。 

言語聴覚士として右も左もわからない時期に、職場外だとしても頼れる先輩を持てたことはラッキーだったと思います。 

作業療法士の先輩を追いかけた訪看時代 

転職して入職した訪問看護ステーションには、看護師・理学療法士・作業療法士の先輩がいました。 

ここではリハ職が各1人だったこともあり、職種の垣根を越えて支えあい、助け合っていました。 

病院ではそれぞれの専門性をフルに発揮して各領域の機能回復に努めると思いますが、在宅の世界ではその方の生活のしやすさを最終ゴールに据え、それぞれの専門性を活かしつつ共通のゴールをめざすと認識しています。 

そのため、利用者さまのゴールに向けてお互いにどうしたらよいかをよく話し合いました。 

そこに専門性は必要不可欠ではありますが、自分が言語聴覚士として経験を積んでいたこともあってか、新人の頃よりも「他のSTさんに相談したい!」と思う事案は減っていたように思います。 

その分、職場内でよく相談を持ち掛け、特に作業療法士とは認知機能に関わる部分で担当領域がかぶることが多かったので、毎日話し合いました。 

この頃は、ゴールを見失わなければヒントは言語聴覚士でなくとも持っていることを学びました。

その道の先輩を追いかけた児発・放デイ時代 

異動によりご縁があった児童発達支援・放課後等デイサービス事業所には、リハ職がいませんでした。 

おまけに私は当時療育未経験かつ、近隣の事業所にも言語聴覚士はいません。 

そこで私は、勉強会への出席はもちろんのこと、事業所内の児童指導員のみなさんを追いかけて知識を身に付けました。 

すでに何年も療育の世界で経験を積まれている先輩方から学ぶことは多く、毎日メモが欠かせなかったのを覚えています。 

それらの知識に、言語聴覚士としての専門性をプラスすることで、利用児やそのご家族に貢献できていたのではないかと思います。 

その他の手段ーオンライン 

今の時代、インターネットやSNSが発展し、離れた人ともオンラインで簡単に繋がれるようになりました。 

リテラシーが必要であり、使い方には細心の注意を払うべきですが、ひとり職場の言語聴覚士にとってはいい時代になったと思います。 

当サイトにもコミュニティがありますので、そうした場を活用して疑問を解消したり、同じ悩みを持つ人と交流したりすると、視野が広がるかもしれません。 

相手の質問に答えることで自分の理解が深まることもありますし、後進を導く立場になったみなさんにもおすすめです。 

ひとり職場でも仲間を見つけて 

私はいつでも、相談に乗ってもらえる関係性を構築することを意識していました。 

「この人!」と思えるその道の先輩を見つけ謙虚に教えを請う姿勢は、ひとり職場で働く人にとって重要だと感じます。 

新人の頃は同じ言語聴覚士に頼れるとベストだと思いますが、経験を重ねてきたら相談相手は言語聴覚士でなくてもいいし、必ずしも同じ職場である必要はありません。 

もしかしたら、4月から新卒でひとり職場…という方や、言語聴覚療法室立ち上げ…という方もいらっしゃるかもしれませんね。 

同じ言語聴覚士であってもなくても、同じ職場内であってもなくても、相談できる相手や追いかけられる存在を探してください。 

孤独な言語聴覚士さんが減りますように。 

執筆者 渡邉睦美(言語聴覚士) 

 

このコラムでは、臨床や経験に基づくこと、豆知識、問題提起など様々なトピックを扱います。
執筆者は企画の和久井のほか、色々な職場・働き方・ジャンルで活躍されている言語聴覚士に依頼していく予定ですので、リクエストもお待ちしています。
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