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「臨床神経心理士」をご存じですか?

2024/10/22

皆さん、こんにちは。plus-STの黒木です。
今回は「臨床神経心理士」についてのコラムです。
これから資格を取得したいと考えている方や初めて知った方にも役立てていただけたら嬉しいです。

臨床神経心理士とは?

臨床神経心理士とは、日本神経心理学会と日本高次脳機能学会の2つの学会が共同で認定する、学会認定資格です。
神経心理学に関連する専門的知識や技能、人を援助する職としての能力と倫理観を備えた専門家を養成して、神経心理学の発展に貢献することを目的として制定されました。

資格を取ることができる職種・条件は?

資格を取ることができるのは、「公認心理士」「作業療法士」「理学療法士」「言語聴覚士」「医師」のいずれかの資格を持っている人です。
条件は以下の通りです。
1)「日本神経心理学会」または「日本高次脳機能学会」にに3 年以上所属し、かつ神経心理学に係わる実務又は教育に関する 3 年以上の経験を証明できる書類を提出する(両学会のどちらかで発表などの活動を証明できる書類を提出した方は、学会所属と実務経験共に2年以上で試験を受けることができます。)
2)試験日の過去5年以内に資格認定委員会が主催する講習会を受講する

試験は難しいの?

試験は年に1回行われます。
出題範囲は以下の通りです。
①神経系の構造と機能及びその障害に関する知識
②神経心理学的検査の実施、評価及び所見の記載に関する知識と技能
③①に関連する症候の把握とその見立てに関する知識と技能
④①に関連する医学(含む診断・治療・リハビリテーション)、心理学、神経科学及び広義のリハビリテーションに関する知識
⑤関連する他の職との連携に関する知識と技能

こうしてみてみると、言語聴覚士の皆さんの中には国家試験と近いな?と感じる方もいると思います。
また、受講が必須となっている講習会でもこの試験範囲の講習を受けることができますので、それぞれの内容について理解を深めてみてください。

資格を取得した感想

新卒時に入職した回復期病院が高次脳機能障害の支援拠点機関でした。学会発表や日々の臨床で大変お世話になった医師から声をかけていただいたこともあり、資格を取得しました。
試験に向けて勉強をしているときは、高次脳機能という莫大な範囲を目の前にして「もう頭がはじけてしまう!」と思いましたが、基本的な知識だけでなく、高次脳機能障害の方の就労などについても学ぶことができ、より患者さんの生活に沿ったリハビリテーションの立案が可能になったと思います。


この資格は、5年ごとの更新制です。
学会参加などで単位を取ることが必要ですが、学びの機会を多く得られるというメリットもあります。
高次脳機能障害に関わる機会が多い方や退院後の就労支援で悩んだ・悩んでいる経験のある方、ぜひ取得を考えてみてはいかがでしょうか。

参考文献:ホーム | 臨床神経心理士資格認定委員会 (jccn.info)

このコラムでは、臨床や経験に基づくこと、豆知識、問題提起など様々なトピックを扱います。
執筆者は企画の和久井のほか、色々な職場・働き方・ジャンルで活躍されている言語聴覚士に依頼していく予定ですので、リクエストもお待ちしています。
コミュニティもしくは 「お問い合わせ」フォームまで、皆様のご意見・ご感想をお待ちしています!

執筆者 黒木清佳 (言語聴覚士)
【略歴】
2019年 言語聴覚士国家資格取得
急性期~生活期まで、幅広いステージの病院勤務を経験。
現在は児童発達支援事業所に勤務。
【保有資格】
・言語聴覚士国家資格 ・臨床神経心理士 ・LSVT LOUD

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