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デジタルで発達障害児支援

2025/04/1

こんにちは、plus-STの渡邉です。

これまで対面での支援が当たり前だった私たちの業界も、コロナ禍を経てオンラインでのやりとりが増えてきました。

外出せずに済み、長時間待つ必要もなく、感染のリスクもないー。

これらのメリットに加えて、発達障害をお持ちのお子さんは、人と対面で話すよりもオンラインでアバターと話す方が会話に集中できると言います。

アバターを使った支援

<独自>塩野義、発達障害の子供をアバターで支援へ 7年度中にも 心理的バリア取り除く – 産経ニュース

塩野義製薬株式会社は、注意欠如多動症(ADHD)や自閉スペクトラム症(ASD)など発達障害のあるお子さんを対象に、アバターを介して支援するサービスを開始するとのことです。

アバターを使うことで心理的障壁を取り除くことができる見通しで、人間だけではなく動物などのキャラクターも使えるため、そのお子さんの特性に合わせた選択ができます。

アバターを介して言語聴覚療法を提供するサービスを令和7年度中に、個人の特性に合わせて対人関係を学ぶソーシャルスキルトレーニングサービスを8年度中に、それぞれ始めたいとのことです。

対象は3歳児健診でことばの遅れがみられた幼児や、小学校で対人コミュニケーションに悩む児童などで、各家庭のほか、学校の支援学級、児童発達支援事業所などでの導入を想定しています。

 

なお、塩野義製薬は2025年2月に、小児のADHD患者を対象とした、ゲームで症状緩和が期待できるデジタル治療用アプリの製造販売承認を取得しているので、気になる方はあわせてチェックしてみてください。

小児期における注意欠如多動症(ADHD)に対するデジタル治療用アプリ 「ENDEAVORRIDE(エンデバーライド)®」の国内製造販売承認取得について| 塩野義製薬

デジタルのメリット/デメリット

オンラインで繋がることが手軽になった現代において、そのメリットはデメリットを越えるでしょう。

冒頭でも触れましたが、

 ・外出しなくてもよい(成人でも小児でも、外出のハードルが高い人はたくさんいます)

 ・待ち時間がない(病院やクリニックの待ち時間は総じて長いことが多いです)

 ・感染のリスクがない(重症化しやすい方にとっては非常に大きなポイントです)

 

一方で、もちろんデメリットもあります。

 ・安定したネット環境や機器を揃える必要がある(スマホでは心許ないこともあります)

 ・若干のタイムラグが生じる(吃音の評価・訓練では影響が大きいかもしれません)

 ・音声が変換されて届く(構音障害の評価・訓練では影響が大きいかもしれません)

 

あとはやはり、直接のふれあいができるかできないかといった違いが大きいでしょうか。

これはその人によってメリットにもデメリットにもなります。

「直接会って、触れて、聞いて、評価したい!徒手的な訓練もしたい!」と言う言語聴覚士もいれば、先ほども述べたように、人と対面するよりもアバターと話す方が集中できるお子さんもいるわけです。

こうしたお子さんにとっては、オンラインという選択肢が増えることは幸せですね。

まとめ

塩野義製薬が、発達障害を持つお子さんをアバターを介して支援するために動き出した記事を取り上げました。

小児分野で働く言語聴覚士のみなさんは、今後これらの技術に触れることがあるかもしれませんね。

また、小児・成人関係なく、今後オンラインでの支援はますます身近になっていくのではないでしょうか。

デジタルの限界は現状どうしてもありますが、ニーズは高そうです。

ぜひみなさまの経験談などもお聞かせください。

執筆者:渡邉睦美(言語聴覚士)

このコラムでは、臨床や経験に基づくこと、豆知識、問題提起など様々なトピックを扱います。
執筆者は企画の和久井のほか、色々な職場・働き方・ジャンルで活躍されている言語聴覚士に依頼していく予定ですので、リクエストもお待ちしています。
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