言語聴覚士がケアマネを取得するメリット
2024/10/29こんにちは、plus-STの渡邉です。
前回、訪問看護ステーションへの転職を考えたきっかけについてお伝えしました。
訪問看護ステーションへの転職を考えたきっかけ | plus-ST | 言語聴覚士のコミュニティサイト
今回は、この転職のタイミングで介護支援専門員(以下ケアマネ)の資格を取得したお話をします。
目次
ケアマネを取得しようと思った理由
私は新卒で病院に入職したため、介護保険についてはほぼ無知でした。
そんな状態で在宅の世界に飛び込むことに不安があり、介護保険について学ぶことに決めました。
しかし、ただ勉強するだけでは挫折することが目に見えていたので、ゴールとしてケアマネ試験を受けることにしたのです。
幸いにもこの時点で受験資格は満たしていたため、すぐに勉強を始めました。
働きながらの試験勉強
ケアマネ試験は10月。
私は思い立ってすぐ、5月から試験勉強を始めました。
通信講座等は使わず、ワークブック・過去問解説集・模擬問題集の3冊を購入し、独学で進めています。
ケアマネ試験の大変なところは、実務経験が必要なため働きながら資格取得をめざす点にあると思います。
私も働きながらの試験勉強だったので、何度も諦めそうになりました。
しかし、せっかく受けるからには1発で受かりたい!
自身の学生時代の経験から自宅では集中しきれないことがわかっていたので、毎日退勤後にリハ室に残り2時間ほど勉強させてもらいました。
休日はほとんど勉強しなかったので、この積み重ねで合格までこぎつけています。
なお、ひとりで勉強していると、どうしても理解できない部分が出てきます。
そんなときは、職場のケアマネさんに質問をしに行きました。
ありがたいことに優しいケアマネさんが揃っており、みなさん快く時間を作ってくださいました。
仕事と研修の両立
そうして迎えた10月、無事に試験を受けた私は、12月に合格通知を受け取ります。
ここから2ヶ月ほどかけて実務研修を受けました。
私が試験を受けたのは2015(平成27)年度のことなので、現在とはカリキュラムが異なります。
当時、私の居住県では1〜2月にかけて、座学とグループワークの研修がありました。
これらももちろん働きながら受けることになるので、有給休暇を申請しながら通いました。
また、提出課題があるため、研修当日の他にも時間を確保する必要があります。
試験勉強ほどプレッシャーを感じる日々ではなかったものの、体力的に厳しいと感じる日もありました。
ちなみに、この時期にも職場のケアマネさんにはたいへんお世話になりました。
研修で出て来た疑問点を質問したり、提出課題となる担当症例をご紹介いただいたりしています。
ケアマネを取得してよかったこと
こうして1年近くかけてケアマネ資格を取得した私ですが、実際に訪問看護ステーションで働くようになり、よかったことをお伝えします。
①ケアマネさんと話がしやすい
介護保険を使って訪看を利用される方からは、基本的にケアマネさんを通して依頼が来ます。
そのため、ケアマネさんとのやりとりが日常的に発生します。
重要な仕事相手であり、利用者様を支えるチームの仲間であるケアマネさんの仕事内容を理解していることで、非常にスムーズに話をすることができました。
また、私が在籍していた事業所は母体が医療機関ではなく株式会社だったため、ケアマネさんのいる事業所に営業をかけることが多かったです。
そんなときに、ケアマネさんの大変さやニーズを理解していたので、距離を縮めやすかったように思います。
②利用者様に助言・提案がしやすい
利用者様から「こんなサービスはないか」「最近こんなことで困っている」などのご相談を受けたとき、ケアマネさんの守備範囲を理解していると話がすんなりと進みました。
「それならケアマネさんにこちらから連絡します」「それは次回受診時に主治医に相談しましょう」など、話を一旦持ち帰ることなくその場である程度判断ができ、利用者様をお待たせする時間を短縮できるケースが多かったです。
さいごに
在宅の世界で言語聴覚士として働く場合、ケアマネ資格を所持していると働きやすいと感じる場面が多いです。
もちろん、資格を有していなくても働きながら知識を身に付けていくことはできます。
しかし、資格として有していると自信を持って利用者様やケアマネさんと接することができ、信頼していただくこともできると感じました。
必須ではありませんし、働きながらの試験勉強や研修は精神的にも肉体的にもハードです。
ケアマネとして就業する予定がない場合は特に、必要性は低いでしょう。
それでも、介護保険について体系的に学ぶことは意義深く、チャレンジするだけの価値はあると思います。
さて次回は、このケアマネ研修と同時期に進めた転職活動についてお伝えします。
仕事に研修に転職活動が重なったので、多忙を極めた3ヶ月でした。
ぜひご覧ください。
このコラムでは、臨床や経験に基づくこと、豆知識、問題提起など様々なトピックを扱います。
執筆者は企画の和久井のほか、色々な職場・働き方・ジャンルで活躍されている言語聴覚士に依頼していく予定ですので、リクエストもお待ちしています。
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執筆者 渡邉睦美(言語聴覚士)