ログイン・会員登録ログインアイコン

コラム

plus-STトップ > コラム > 放課後等デイサービスでの働き方

放課後等デイサービスでの働き方

2024/11/22

こんにちは、plus-STの渡邉です。
みなさん、放課後等デイサービスをご存知ですか?
あまりなじみのない方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方向けに、放課後等デイサービスでの業務についてお伝えします。

放課後等デイサービスとは

厚生労働省 放課後等デイサービスガイドライン
厚生労働省 放課後等デイサービスガイドライン

上記ガイドラインより抜粋すると、放課後等デイサービスとは、学校(幼稚園及び大学を除く)に就学している障害児に、授業の終了後又は休業日に、生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進、その他の便宜を供与することとされています。
つまり、放課後に通所して個々に合わせた発達支援を受けられる場所のことです。

午前中はなにをやっているの?

「放課後」等デイサービスなので、子どもたちがやってくるのはその名の通り放課後です。
私が勤めていた事業所は児童発達支援も行っていたため、午前中に未就学児が利用していることはありましたが、それでも1〜2人程度でした。
つまり、放課後までは子どもたちがほとんどいません。
ではその時間、職員は何をしているのか。
答えはずばり、支援の準備です。
・施設の掃除やおもちゃの消毒、劣化したおもちゃの修繕など
・その日やってくる子どもたちに合わせた課題の準備
・おやつの買い出し
・季節に合わせた制作物の下準備
・子どもたちにとって邪魔にならない程度の装飾
・お誕生日にプレゼントするカード作成
・イベントのリハーサルや買い出し

など、「暇そう!」と言われることもありますが、実は時間が足りないくらいです。
特に、季節に合わせた制作物の下準備は、数ヶ月前から動き出していました。
ここ数年は作っていないもので、幼児から高校生まで作ることができて、どの年齢のお子さんにもふさわしく、持ち帰りやすく、安全に楽しく作れるもの…
と、多角的に比較検討しながら作るものを決めます。
作るものが決まったら、たとえばAさんは全工程自力でできるだろう、Bさんはここまでフォローすればあとはできるだろうなど、1人ひとりに合わせたプランを考えます。
保護者の方も持ち帰りを楽しみにしていてくださるので、子どもたちの手がなるべく多く入るように心掛けていました。
また、イベントについても下準備には力を入れていました。
1対1で支援が必要なお子さんもいれば、車椅子のお子さんもいます。
口から食事を摂れないお子さんもいれば、耳が聞こえないお子さんもいます。
すべての子どもたちが安全に楽しめるイベントを用意するのは、なかなか骨の折れる作業です。
職員全員でアイデアを出し合って、マンネリ化しないように気を付けながら計画していました。
ちなみに、学校がお休みになる長期休暇中は、朝から子どもたちであふれます。
そのため、1年で1番の繁忙期は夏休み期間と言えるでしょう。
プールで水遊びをしたり、みんなでカレーライスを作ったり、水族館へでかけたり…
子どもたちの貴重な夏休みの時間が思い出深いものになるよう、工夫してスケジュールを立てていました。

緊張する業務

放課後に来所する場合、基本的には各学校まで私たちがお迎えに行きます。
この送迎が、私は1番緊張しました。
車の運転には慣れていますが、わが子たちを自分の車に乗せて走るのとは訳が違います。
また、おやつの時間や学校休業日のお昼ごはんの時間も密かに緊張していました。
嚥下機能に不安があっても、成人と違って子どもたちは自分で意識して食べるということが難しいです。
しかも、お友だちとおしゃべりしながらだったり、食べ慣れていないものを食べたりもします。
こちらの緊張が子どもたちに伝わると子どもたちも無意識に緊張してしまうので、表に出さないように気をつけながらそばについていました。

リハビリ職としての業務

言語聴覚士のみなさんが気になるのは、リハビリ職としての業務ではないでしょうか。
専門的支援実施加算を算定していれば、病院などで働く言語聴覚士と同様に、評価・計画立案・記録・報告などが必要です。

厚生労働省 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容
厚生労働省 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容 p37

算定に必要な書類を揃えるほか、支援に使う道具を揃えたりカードを作成したりといった作業も午前中に行っていました。
時間はたっぷりありそうですが、先述した通りやることは山積みなので、さくさくとこなしていかないと間に合わなくなります。

まとめ

放課後等デイサービスの現場が、少しは想像できたでしょうか。
これまでの経過を尊重しながら、現在の課題に加えて将来を見据えた支援を行うことは、簡単なことではありません。
しかし、子どもたちの成長が見られたり、保護者の方とその成長の喜びを共有できたりする瞬間は、ご褒美のようだなと感じています。
どなたかの参考になれば幸いです。

執筆者 渡邉睦美(言語聴覚士)

コメント機能は会員限定コンテンツです。
ログインしてからご利用いただけます。

会員登録される方はこちら 新規会員登録

Copyright ©plus-ST All Rights Reserved.