小児ST 多職種連携~療育施設編~
2024/05/4小児STの就職先の一つに療育施設があります。
療育施設の中でも、個別療育に力を入れている事業所や集団療育に力を入れている事業所、言語聴覚士以外にも理学療法士さんや作業療法士さんが就職している事業所など事業所によって特色があります。
今回は、療育施設ではどのような人達と一緒に働くのか、関わりがあるのかなどをご紹介します。
目次
療育施設とは?
療育施設は身体の動かし方や勉強、コミュニケーション方法といった日常生活や集団生活で必要なスキルを獲得するためのプログラムを提供する場所のことです。
療育は基本的に障害や障害の可能性のある、18歳未満の子どもを対象としたサポートのことで、療育とともに「発達支援」という言葉もよく使われています。
「療育施設」というのは療育を提供する場の総称として使われており、「療育センター」や「児童発達支援センター」「放課後等デイサービス」といった名称の施設でも療育を提供していることがあります。療育施設の中には公的な施設も民間の施設もあり、提供するサービスや対象となる子どもは療育施設ごとに異なっています。
引用:
療育施設には様々な資格を持った職業の方々が勤務しています。
STと他職種の関わりについて紹介していきます。
保育士さん
保育目線の療育は、保育園の経験に基づいた集団療育やお子さんと集団で関わる方法を教えていただく機会があります。
また、お子さんが興味を引く語りかけや誘導方法などは、保育士さんから教わることが多い印象です。
私は、元保育園で勤務していた経験豊富な保育士さんからイベントを実施する際の進行や計画方法、壁面の作成などを学ぶ機会がありました。
公認心理師・臨床心理士さん
主に検査の結果や所見を話し合う機会があります。検査の結果からどのような支援が必要なのか、どこを伸ばしていくと良いかなど検査を基に意見交換をします。
また、ペアレントトレーニングやプレイセラピーなどを勉強させていただくことができます。
私は、検査経験が豊富な心理師さんから所見の書き方を学んだり、検査方法を教えていただく機会がありました。
作業療法士さん
感覚統合、手先運動や巧緻性の向上方法を勉強させていただくことがあります。
はしの使い方、鉛筆の補助具など支援方法を共有してもらうことで個々の段階に合わせた支援を実施することができます。
その他の職員さん
理学療法士さん、小学校教諭さん、児童指導員さんなど様々な職種の方と一緒に働くことができます。
一人のお子さんに対して多職種で関わることによって、今まで見えていなかった視点や支援方法などが明確になります。
それぞれの強みを活かしたり、共有することで個々に合った支援が実現します。
さらに、お子さんによって他事業所と連絡が必要になったり、学校や幼稚園・保育園との連携も必要になります。
多職種で話し合う、協力して決める場面が多々あります。
互いの職種を尊重する気持ちを忘れず、気軽に相談し合えるチームワーク作りが大切だと思います。
以上、小児ST多職種連携~療育施設編~でした。
少しでも療育施設で働くことに興味を持ってもらえると幸いです!
このコラムでは、臨床や経験に基づくこと、豆知識、問題提起など様々なトピックを扱います。
執筆者はplus‐STスタッフのほか、色々な職場・働き方・ジャンルで活躍されている言語聴覚士に依頼していく予定ですので、リクエストもお待ちしています。
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文:言語聴覚士 藤澤