“言語聴覚士として”長く働くためのキャリアの捉え方
2026/03/3
こんにちは、plus-STの渡邉です。
年度末が押し迫り、日々の勤務は続くにしても心境としては“区切り”がちらつく時期となりました。
来年度の動きについても異動などが通達されるタイミングだと思います。
目次
「続けるのが当たり前」だと思っていた頃
言語聴覚士として臨床に出た当初、私はこの仕事を「続けていくもの」として捉えていました。
なんなら、新卒で入職した病院で定年まで働き続けるものと信じて疑わなかったし、他の可能性を思い浮かべることすらありませんでした。
言語聴覚士は学生時代から目指してきた職業であり、資格を取得して現場に立てたこと自体が大きな達成感だったからです。
当時は、将来の働き方やキャリアについて深く考えることもなく、目の前の臨床に向き合うことで精一杯。
経験を重ねる中で、専門知識や技術の習得だけでなく、他職種との連携や患者さん・ご家族との関わりの難しさにも直面しましたが…
それでも、「言語聴覚士として成長すること」が、働き続ける理由そのものになっていたように思います。
遅くまで残っての勉強会や、休日に出席する研修会なども、全く苦ではありませんでした。
ライフイベントと仕事は、きれいには並ばない…?
ところが、結婚・妊娠・出産といったライフイベントを経験する中で、仕事とのバランスについて考える場面が増えていきます。
体調や体力の変化、時間の制約など、それまで当然のようにできていた働き方が難しくなったのです。
この時期に感じたのは、「意欲があっても、環境や状況によって選択肢が変わる」という現実です。
以前と同じペースで働けないことに戸惑いを覚える一方で、自分の役割や優先順位を整理する必要性も感じるようになりました。
長い間正社員として働き、この先もフルで働き続けると思っていたわたしにとっては葛藤が大きかったことは事実ですが…
働き方を見直すことは、能力の低下や後退を意味するものではないと思い直しました。
むしろ、その時点の自分に合った形を選び直すプロセスだったと、今は捉えています。
働く場所が変わると、役割も変わる
わたしは、一般病院、訪問看護、児童発達支援、放課後等デイサービスと、複数の現場を経験しました。
それぞれの職場では、対象となる利用者さんの年齢や背景、求められる支援の内容、チームの構成が異なります。
同じ言語聴覚士であっても、役割や関わり方は一様ではありません。
現場を移ることで、「どこが優れているか」ではなく、「どの環境が今の自分に合っているか」を考えるようになりました。
合う・合わないは、専門性の高さだけで決まるものではなく、自身の生活状況や価値観との相性による部分も大きいと感じています。
こうした経験を通して、言語聴覚士のキャリアは一つの型にはまるものではなく、柔軟に形を変えうるものだと実感しました。
「調整しながら続ける」という選択
臨床経験を重ねた現在、「言語聴覚士として働き続ける」ためには、技術や経験年数だけでなく、環境調整や自己理解が重要だと感じています。
体力、家庭の状況、周囲の支援体制、自分が大切にしたい価値観。
これらを踏まえながら働き方を調整していくことが、結果的に継続につながる場合もあります。
これから言語聴覚士を目指す学生の方、そして現場で働いている方にとって、キャリアに迷うことは珍しいことではありません。
立ち止まったり、方向を変えたりすることも含めて、一人ひとりに合った道があるのだと思います。
言語聴覚士という専門職が、支援を受ける方だけでなく、働く側にとっても長く向き合える仕事であるために。
自分の16年を振り返り、今はそのように考えています。
執筆者:渡邉睦美(言語聴覚士)
このコラムでは、臨床や経験に基づくこと、豆知識、最新情報など様々な内容を扱います。
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