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将来やりたい!?STの自費リハ、求められるスキル

2025/12/23

「いつかは自費でリハビリをしたい」「保険診療ではできない支援をしたい」という風にお考えの現役言語聴覚士さんは、意外と多いのではないでしょうか?

わたしが言語聴覚士になった頃は自費リハビリサービスはほぼ耳にしませんでしたが、今は個人での発信力も高まり、その市場は広がりを見せています。

 

その一方で、現実はシビアな一面も…。

実際にどんな世界なのか、保険診療との違いを中心にまとめました。

需要はある

 ・高齢家族のむせなど、食事に関する不安

 ・小児の発達グレーゾーンなど、個別支援の不足

 ・活舌・声質・吃音、脳卒中後の期限越えなど、保険診療でカバーしきれない課題

 

など、「病院に行くほどではないけれど困っている」「今は大丈夫だけど未来が不安」「患者側が求めるレベルが高すぎて保険診療では診てもらえない」といった層は、言語聴覚士による自費リハビリを求めています。

 

なお、自費リハビリはなにも、起業した言語聴覚士だけのものではありません

わたしの経験で言えば、訪問看護ステーションに勤めていた頃は自費リハビリの依頼が多くありました。

最初から「お金ならいくらでも出すから週3回は来てほしい」というご家庭もあれば、しばらく保険診療の枠内で利用された後に「お金がかかってもいいから回数を増やしたい」という声も聞かれました。

もちろん、お互いのスケジュールの都合ですべての依頼にお応えできたわけではありませんでしたが、「よくなるためなら」と自費リハビリを希望される方は、わたしが思っていたよりも多かったのが事実です。

「成果の出し方」の違い

医療現場では、「評価→計画(同意)→訓練→長期的な変化」という流れが基本で、患者さん側もある程度の長期戦を覚悟して取り組まれます。

また、これまで大多数の方が保険診療でリハビリを受けておられることもあり、良くも悪くも「こういうもの=これくらいゆっくり回復していくものなんだろう」「1回で劇的な変化がなくても普通だろう」といったバイアスもかかるように思います。

 

しかし自費リハビリでは、もっとストレートにリハビリの価値を求められることが多いです。

利用者さんは1回で変化を感じたいし、継続するにはそれだけの理由を求めます。

これらを毎回感じてもらい、延々と伸ばし続けなければならないという焦りが、じわじわと言語聴覚士側の肩に重くのしかかってくるのです。

こういった現実から、保険診療で運営されている医療現場と提供している価値は同じでも、自費リハビリで選ばれ続けるためには、より高い説明力や共感力、そして課題や変化を“見える化”する能力が求められると感じます。

 

さらに、自費リハビリで成果を上げている先輩言語聴覚士のみなさんは、専門性はもちろんのこと、提供するサービスの“設計力”が非常に優れていると思います。

 

 ・だれの支援をするのか

 ・どんな変化を提供するのか

 ・どんな頻度でサポートするのか

 ・その場合、変化に見込まれる期間はどれくらいか

 

こういったサービス設計が明確なところには、人が集まっている印象を受けます。

単発よりも、その方の生活に合わせた伴走型の支援の方が、お互いにとって満足度が高い上に結果も出やすいです。

ここに生まれる価値をうまく利用者さんに伝えることができれば、「1回で劇的な変化を見せなければ!」と焦ったり、「いつ切られてしまうだろう…」と不安になったりすることは軽減できますね。

“STとして”自由に働く

自費リハビリは、特別な人だけに許された世界ではありません。

普段からやっていることをより際立たせることで、だれでも挑戦できるものです。

 

 ・丁寧に話を聴く

 ・ご家族も含めて寄り添う

 ・誠実に説明し、対応する

 

この3点を意識するだけでも、“選ばれる”人になっていくのではないでしょうか。

 

保険診療の枠からはみ出て困っている人に、専門家として対価を得ながら手を差し伸べることができる。

そして言語聴覚士にとっても、働き方の選択肢を広げることができる。

 

「いつかできたらいいなあ」というぼんやりした願望を、「やろうと思えばすぐにできる!」選択肢に変えるために、自費リハビリの世界について知っておく価値は十分あります。

執筆者:渡邉睦美(言語聴覚士)

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