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リハビリ職による被災地支援

2024/12/25

こんにちは、plus-STの渡邉です。 

能登半島地震からまもなく1年が経過します。 

今年能登半島は豪雨被害もありました。 

自然災害が頻発する日本における被災地支援について、リハビリ職の取り組みを中心に考えてみます。 

日本災害リハビリテーション支援協会(JRAT) 

災害が発生したとき最初に被災地支援に入るのは、消防や自衛隊などの救助隊やDMAT(Disaster Medical Assistance Team;災害派遣医療チーム)です。 

発災直後は助けられる命を救うことが最優先となるため、リハビリ職が求められるのはもう少し時間が経過してからになります。 

日本ではJRAT(Japan disaster Rehabilitation Assistance Team;日本災害リハビリテーション支援協会)が中心となり、被災地へのリハビリ職派遣を行っています。 

一般社団法人 日本災害リハビリテーション支援協会 – 

一般社団法人 日本災害リハビリテーション支援協会 

平時は地域住民とともに、災害に立ち向かう仕組みづくりに寄与しています。 

そして有事の際には、災害リハビリテーション支援チームを発足させ、被災者の直接的な支援に入るのです。 

被災者が早期に災害を乗り越え、自立生活を再建・復興できることを目的に活動する団体となります。 

なお、被災地支援に入る団体はDMAT・JRAT以外にも、日本医師会災害医療チーム(JMAT)、日本赤十字社、独立行政法人国立病院機構、独立行政法人地域医療機能推進機構、国立大学病院、日本災害歯科支援チーム(JDAT)、日本薬剤師会、日本看護協会、日本栄養士会災害支援チーム(JDA-DAT)などがあり、災害対策基本法に基づく防災基本計画にも明記されています。 

R6基本計画 

内閣府 防災基本計画 p75 

これだけ多種多様な専門家が派遣されているという事実に驚き、心強く感じました。 

その一方で、混乱を極める被災地において十分な活動ができるだけの環境整備からして難儀することは、容易に想像できます。 

コミュニケーション・アシスト・ネットワーク(CAN) 

専門家といえども、個人でむやみに被災地へ赴くのは逆に迷惑をかけることになる可能性が高いです。 

とはいえ、日常的に支援が必要な方も被災地にはいるわけで、その方々の時間は止まりません。 

そんなとき、専門家でなくともコミュニケーション支援ができるよう、支援方法が記載されたサイトがあります。 

災害時の言語聴覚障害者への支援について | 障害者の社会参加を支援するコミュニケーション・アシスト・ネットワーク(CAN) 

コミュニケーション・アシスト・ネットワーク 災害時の言語聴覚障害者への支援について 

上記のページでは、失語症の方・聴覚障害の方・発達障害の方・摂食嚥下障害の方・認知症の方・高次脳機能障害の方に対応する際の支援のポイントが解説されています。 

その他にも、災害時に有用な情報がわかりやすくまとめられているので、平時のうちに1度ご確認ください。 

また、関連職種や関係者に、平時のうちから情報提供しておくのもよいと思います。 

能登半島地震での実例 

2024年1月1日に発生した能登半島地震では、発災翌日の1月2日〜3月31日にかけて、画期的な取り組みが行われました。 

【能登半島地震対応】理学療法士が被災地へむけて遠隔支援開始  高齢者・脳卒中者が避難所でできる「リハビリ動画支援」 | リモット株式会社のプレスリリース 

PRTIMES リモット株式会社のプレスリリース 

上記プレスリリースより抜粋すると、「避難所ではリハビリできない」という高齢者や脳卒中者の筋力・体力低下予防を目的に、電話やLINEによる相談と自宅でできるセミオーダーのリハビリ動画メニューの無料提供を行ったとのことです。 

日々命を繋ぐことで精一杯な被災地では、どうしても後回しにされがちなリハビリテーション。 

しかし、そのしわ寄せは生活不活発病の発症や褥瘡の悪化など、想定よりも深刻な影響をもたらします。 

その防止のために、迅速かつ無償でこういったサービスを供給できるとは、まさに平時からの備えの賜物ではないでしょうか。 

さいごに 

リハビリ職による被災地支援についてまとめました。 

災害大国日本に生きる以上、身近で災害が起きたり実際に被災したりした方もいるのではないでしょうか。 

また、専門職として被災地へ入ったことがあるという方もいるかもしれません。 

経験談をシェアしていただける方は、ぜひコメントを残してくださいね。 

執筆者 渡邉睦美(言語聴覚士)

このコラムでは、臨床や経験に基づくこと、豆知識、問題提起など様々なトピックを扱います。
執筆者は企画の和久井のほか、色々な職場・働き方・ジャンルで活躍されている言語聴覚士に依頼していく予定ですので、リクエストもお待ちしています。
「お問い合わせ」フォームより、ぜひ皆様のお声を聞かせてください。

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