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言語聴覚士国家試験の動向から見える、いま起きていること

2026/02/17

こんにちは、plus-STの渡邉です。

言語聴覚士国家試験は、毎年淡々と実施され、結果も「合格率◯%」という数字で語られがちです。

しかし、その数字の裏側を少し丁寧に見ていくと、STを取り巻く環境の変化がいくつか浮かび上がってきます。

 

そこで、直近の国家試験の傾向をもとに、「いま何が起きているのか」を整理します。

合格率は安定、受験者数は伸び悩み

近年の言語聴覚士国家試験の合格率は、おおむね6~7割前後で推移しています。

極端に難化しているわけでも、簡単になっているわけでもありません。

試験の難易度自体は、比較的安定していると言えます。

 

一方で、受験者数に注目すると、増加傾向とは言いにくい状況が続いています。

年によって多少の上下はあるものの、長期的に見ると大きく伸びてはいません。

この点は、「STという職種の需要が低い」という単純な話ではありません。

医療・介護・教育分野における言語聴覚士の必要性は、むしろ広がっています。

それにもかかわらず、養成校への入学者数や受験者数が急増していないことは、職種の認知や進路選択の段階で、慎重な判断がされている可能性を示しています。

だれでも受かる試験ではない

合格率が7割前後ということは、裏を返せば毎年3割前後は不合格になるということです。

合格率が低くなりがちな既卒の数字を含めていたとしても、これは決して低い割合ではありません。

 

国家試験は、最低限の知識を確認する試験である一方、暗記だけで対応できる内容ばかりではありません。

疾患理解、評価の視点、臨床場面を想定した設問など、基礎知識をどう使うかが問われています。

毎年一定数が不合格になるという事実は、国家試験が最低限の知識確認にとどまらず、基礎をどれだけ丁寧に理解し、臨床に繋げる視点を育めているかを問う試験であるということではないでしょうか。

STの専門性を担保するという意味では、自然な流れとも言えます。

養成校ごとの差が可視化

もう一つ注目すべき点は、教育機関ごとの合格実績の差です。

一部の養成校では高い合格率を安定して維持している一方、そうでない学校も存在します。

 

これは単に「学生の出来」の差ではありません。

カリキュラムの組み方、国家試験対策の位置づけ、臨床実習とのつなげ方など、教育設計の違いが結果に反映されていると考えられます。

この流れは今後さらに進み、養成校の教育内容が、これまで以上に可視化されていく可能性があります。

さいごに

国家試験の合格率や受験者数は、単なる統計データではありません。

その背後には、養成教育のあり方、職種の位置づけ、そしてST自身の専門性が反映されています。

 

数字だけを見て一喜一憂するのではなく、「なぜこの数字になっているのか」「この傾向は、現場に何をもたらすのか」を考えることで、国家試験はより意味のある指標になります。

STという職種が、どのような専門家として期待されているのか。

国家試験の動向から、今一度考えてみてはいかがでしょうか。

 

執筆者:渡邉睦美(言語聴覚士)

 

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