ハレの日にみんなで外食できる社会へ
2025/01/14
こんにちは、plus-STの渡邉です。
言語聴覚士として働いていると、摂食嚥下障害をお持ちの方と出逢うことが多いと思います。
そんなみなさんの参考になるであろう記事を見つけたので、シェアします。
目次
嚥下障害でも食べる楽しみを
嚥下障害でも食べる楽しみを 多種多様なレストランで嚥下食を提供 [山形県]:朝日新聞デジタル
上記記事の内容をまとめると、山形県において「ハレの日の嚥下食」の普及活動が行われているとのことです。
ペースト状やスープ状ではなく、ハレの日くらいは見た目にもこだわった料理を食べてほしいとの思いから、「鶴岡食材を使った嚥下食を考える研究会」が推進しています。
メンバーは栄養士や言語聴覚士、料理人などで、料理人向けの研修会などを主催されているそうです。
手間と時間を惜しまない姿勢
食事は単なる栄養摂取手段というだけではなく、心の健康に繋がったりコミュニケーションの場になったりします。
そのため、栄養素や味だけではなく、見た目も重要な要素の1つです。
ところが、嚥下食はみなさんご存知の通り、安全性を優先するとどうしても見た目への影響が大きくなります。
見ただけでは一体なんの料理なのか、どんな食材が使われているのか、まったくわからないことも珍しくありません。
ただ、食事は1日に3回必要なものです。
その度に見た目にまでこだわっていられないのが、どこのご家庭でも施設でも病院であっても本音だと思います。
したがって、「ハレの日くらいは…!」という思いに、非常に共感しました。
嚥下しやすい形態のものを見た目も麗しくするには、時間と手間がかかりますよね。
記事内では豚の角煮が取り上げられていましたが、角煮をすりつぶしたものを薄くスライスした角煮ではさんでいるそうです。
見た目は通常のものに近い状態ながら、口に含むと舌でつぶすことができるとか。
試作を重ねて編み出したオリジナルレシピだそうで、これだけの労力を割いて安全性と見た目の両方を諦めない姿勢は見習いたいと思いました。
私たち言語聴覚士が、障害をお持ちの方に提供される料理を直接作ることはほとんどないと思いますが、摂食嚥下の専門家としてこのマインドは忘れずにいたいです。
嚥下障害があっても外食したい
飲食店においても、嚥下食を提供しているところが増えてきました。
すべてを網羅しているわけではありませんが、以下のようなサイトもあります。
摂食嚥下障害をお持ちの方は、外食を諦めることも多いでしょう。
そんなみなさんが、特別な日でもそうでなくても、ご家族やご友人とともに外食を楽しめるチャンスが増えてきていることを嬉しく思います。
もし身近に、嚥下食を食べられる飲食店を探している方がいれば、ぜひ共有してみてください。
さいごに
訪問看護ステーション勤務時代、がん闘病中の利用者様の願いを叶えたいと、ステーション一丸となって動いたことがありました。
その願いは、「アツアツの担々麵が食べたい」。
主治医の了承を得た後、近所の中華料理屋さんに掛け合い、通常はやっていないテイクアウトに対応していただきました。
ご自宅への道中で担々麺をテイクアウトし、大事に大事に運んだことを覚えています。
そうして届いた何年振りかのアツアツ担々麵に、涙を流して喜ばれた利用者様。
体調に波のある時期でしたが、当日ご本人の体調は絶好調!
麺にハサミは入れたものの、少しずつ「ふぅーふぅー」と冷ましては口に運ぶ姿に、その場にいた全員が感激しました。
たった数口の食事が、一生に1度の大切な思い出になります。
“普通”に食事を摂れている健常な私たちは、時にそのありがたみを忘れてしまうことがあるでしょう。
大切な人と、好きなときに、好きなものを食べられる喜びを忘れず、患者様や利用者様に寄り添っていけたらと思います。
執筆者 渡邉睦美(言語聴覚士)
このコラムでは、臨床や経験に基づくこと、豆知識、問題提起など様々なトピックを扱います。
執筆者は企画の和久井のほか、色々な職場・働き方・ジャンルで活躍されている言語聴覚士に依頼していく予定ですので、リクエストもお待ちしています。
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