訪問看護ステーションへの転職を考えたきっかけ
2024/10/11
こんにちは、plus-STの渡邉です。
私は新卒で入職した病院を6年で退職し、訪問看護ステーションへ転職しました。
経験のある方ならおわかりかと思いますが、働きながらの転職活動は非常に骨の折れる作業です。
それでもなぜ病院から訪問看護ステーションへ行くことを決めたのか、私の場合をご紹介します。
目次
長期入院のお年寄りたち
私が在籍していた病院は維持期を中心にしており、入院患者様の大半はお年寄りが多かったです。
なかには年単位で入院を続けておられる方も…。
代わり映えのない日々のなかで「リハビリだけが唯一の楽しみやわ」とほほえむお年寄りの顔は、今でも忘れられません。
そんな穏やか皆さんも、特にお盆や年末になると「家に帰りたい」と病室のはしっこで涙を流しておられました。
点滴をしているわけでもなく、毎日検査を受けているわけでもない。
それなのに、家に帰れないお年寄りが当時はたくさんいらしたのです。
「家に帰りたい」その希望を阻むもの
なぜ家に帰れないのでしょうか?
家族が嫌がっている?家が段差だらけで車椅子が入れない?日中1人にしておけない?
その理由はさまざまでしたが、当時まだ若く、知識も経験も浅かった私には、どの理由もお年寄りの涙に比べるとちっぽけに思えました。
自身の未熟さから湧きあがったそんな感情でしたが、このときの憤りが転職のきっかけとなります。
一見家に帰れそうなのに帰れないお年寄りが帰れるようにするにはどうしたらいいのか、言語聴覚士として私にできることはないのか。
私は病院から出て、在宅の現場へ身を置くことを決意したのです。
訪問系サービスの醍醐味
新卒で病院に入職した私は、在宅における医療やリハビリについて無知でした。
そのため、病院から自宅へ退院する際に越えなければならないハードルの多さも高さも知りませんでした。
もっとも多く、そして高かったハードルは、ご家族の同意が得られないことです。
「家で1人にしているときに何かあったらどうするのか」
「排泄介助なんてできない」
「とろみなんて付けていられない」
介護のご経験がない方が受け入れられないのも無理はありません。
どんなに訪問系サービスを利用しても、福祉用具を借りても、最終的に責任をもって自宅での生活を支えることになるのはご家族です。
実際に訪問看護ステーションで働き、たくさんのご家庭を訪問して目の当たりにしたのは、ご家族の精神的な重圧の大きさでした。
だからこそ私は、利用者様本人だけでなくご家族のケアにも力を入れています。
訪問時に同席していただける場合は、必ずご家族の方とお話する時間を設けました。
いつもと様子が違うようであれば、利用者様のいないところでお話をすることもありました。
直接お会いできない場合は、連絡ノートでやり取りを重ねます。
そうして知り得たご家族の負担感を持ち帰り、支援担当者や他事業所と共有することで、解決策としてサービスの変更や追加に繋げられました。
「こんなこともしてくれるの?」
「そんな福祉用具があるなんて!」
「意外と安く済むんだね!」
など、こちらが情報提供したことで安堵されるみなさんの表情を拝見すると、こちらまでほっとします。
各ご家庭に深く立ち入る訪問系サービスだからこそ、利用者様本人だけでなくご家族のためにもなるサービスの在り方を模索する必要があり、それこそが醍醐味ではないでしょうか。
もちろん、言語聴覚士としてサービスを依頼され介入するわけですが、私個人の感覚としては「言語聴覚士として」よりも、「ひとりの医療人として」信頼していただけていると感じるケースが多かったです。
さいごに
新卒で病院に入職する言語聴覚士は多いと思います。
そこでさまざまな経験を積み、新たな領域を求めて転職する方もいらっしゃるでしょう。
私の場合は病院から訪問看護ステーションでした。
現在はライフステージの変化に伴い、縁あって児童発達支援・放課後等デイサービスに勤めていますが、訪問看護ステーション勤務時代の経験は今も家族支援において活きていると感じています。
1つの職場を極めるのもよいですが、気の向くままいろいろな領域で学ぶのもおもしろいです。
言語聴覚士という資格を活かせる場は増えてきているので、ご自身の経験や興味関心に合わせて新天地を求めるのもよいと思います。
さて次回は、病院から在宅の世界に飛び込むにあたり、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を取得した話をお伝えします。
働きながら資格試験に臨むのは非常に苦労しました…。
ケアマネ資格取得に興味のある方はぜひご覧ください。
このコラムでは、臨床や経験に基づくこと、豆知識、問題提起など様々なトピックを扱います。
執筆者は企画の和久井のほか、色々な職場・働き方・ジャンルで活躍されている言語聴覚士に依頼していく予定ですので、リクエストもお待ちしています。
コミュニティもしくは 「お問い合わせ」フォームまで、皆様のご意見・ご感想をお待ちしています!
執筆者 渡邉睦美(言語聴覚士)
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