後輩ができるあなたへ ― “先輩1年目”のための実践ガイド
2026/03/24
こんにちは、plus-STの渡邉です。
新年度から後輩ができる!という方、いらっしゃいますか?
同じ言語聴覚士とは限りませんが、たとえ違う職種でも、後輩ができるってちょっとワクワクしますよね。
そんな“先輩”になるあなたへ、ちょっとしたコツを共有しましょう。
目次
まずは「環境」を整える
4月に新入職員が入職すると、きっと多くの先輩たちが「何から教えればいいか」と考えるでしょう。
もちろん、業務の流れや内容の整理は大切で、必要不可欠です。
ですがそれと同じくらい、正確に伝えてあげてほしいことがあります。
それは、わからないこと・困ったことがあったときに「だれに、いつ、どういった手段で」確認すればいいのかということです。
・相談の窓口はだれか(その人が不在の場合はだれか)
・緊急時の連絡ルートや優先順位
少なくともこれらは、最初の1週間、もしくは現場に出る日までに共有しておくべきです。
これだけで、新入職員の不安はかなり軽減されるのではないでしょうか。
また、よくありがちなのが「いつでも声掛けてね」とやさしさを全面に押し出す伝え方だと思うのですが…
結局「いつでも」は応えられないのが実情で、後回しにするうちに対応を忘れる…なんてことにも繋がりかねません。
そのため、「15時以降なら比較的ゆっくり話せるよ」など具体的に示しておくと、後輩からも声を掛けやすくなります。
慣れない場所・見知らぬ人たちのなかで自ら声を上げることは、かなりのストレスを伴いますよね。
ご経験のある先輩方も多いことと思います。
事故の未然防止や初期対応のためにも、「質問しやすい土台」を整えてあげるのが、先輩(特に年齢や立場の近い先輩)の役割ではないでしょうか。
“量”より“型”
「たくさん経験させた方が成長する」「とにかく場数を踏ませる」という考え方も、一理あるとは思います。
しかし、基礎が固まらないうちに量だけを増やすと、「まだ初歩レベルなはずなのにこんなにうまくいかないなんて、続けられるわけがない」「この仕事は向いていないかもしれない」と、自信を失わせてしまうことがあります。
特に評価や記録に関しては、まず“型”を共有することが大切です。
・評価前になにを確認しておくのか
・得られた所見をどう整理するのか
・記録はどのように残すのか
ここは、各施設ごとに特色があると思います。
独自のルールを設けているところもあるでしょう。
そういった、「学校の教科書には載っていないけれど、ここで働く上では絶対に必要なこと」を、きちんと言語化して伝えましょう。
「背中で語る」「見て覚えろ」は、医療現場ではハイリスクです。
最初から応用力を求める必要はありません。
まずは先輩と同じ流れで、安全・確実に実施できることが、臨床の土台になります。
フィードバック=“共有”
指導場面で悩みやすいのは、フィードバックではないかと思います。
「この時期にどこまで指摘すべきか」「厳しく言いすぎていないか」と迷うことも多々あるでしょう。
そんなときに1つ心に留めておいていただきたいのは、正誤判定よりも“思考の共有”を意識することです。
先輩からすると「え?」「なんで?」と思うことでも、頭ごなしに「それは間違っているよ」と指摘するのではなく、「なぜそう考えたの?」「他の可能性はあると思う?」など、後輩自身に再考の機会をあげてください。
そうすることで、先輩は後輩のことを知るチャンスを得られ、後輩は自分で自分の誤りに気づくチャンスが得られます。
また、改善点だけではなく「ここはよかった」というポイントも具体的に伝えることも大事だと思います。
曖昧な賞賛は、自信をなくしがちな新入職員に響かないことが多いです。
「情報収集が丁寧だった」「説明がわかりやすかった」「あのタイミングで確認してくれてよかった」など、行動レベルで伝えてみましょう。
フィードバックを「後輩が委縮する場」から「成長意欲を掻き立てられる場」にできたら最高です。
きっと長きにわたり、職場に貢献してくれる職員になると思います。
先輩も“学ぶ側”であり続ける
さいごに大切なのは、先輩も“学ぶ側”であり続けるという姿勢です。
後輩の前で、完璧である必要はありません。
わからないことがあれば一緒に調べたり、さらに先輩に確認したり。
そういった誠実な態度こそ、後輩からの信頼に繋がります。
そしてその信頼が、さらに次の世代へ受け継がれていくことでしょう。
わからないことを誤魔化したり放置したりするのではなく、無知を晒してでも事実を確認する姿勢は、事故防止にも繋がります。
後輩を育てる1年は自分を育て直す1年と考え、ともに成長する意識を持って伴走できるとよいのではないでしょうか。
1人で背負わず、チームで育てる意識を持ちながら、新しい1年を始めてみてくださいね。
執筆者:渡邉睦美(言語聴覚士)
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